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【活動報告】11月研修会

11月29日(日)に、早稲田大学学生会館にて『性犯罪者を対象とした認知行動療法』をテーマとした研修会が行われました。

 

認知行動療法とは、認知理論と行動理論をベースに問題行動の修正を図る心理療法です。

 

前半では、なぜ矯正の現場で認知行動療法が採用されているかについて説明がありました。

認知行動療法は他心理療法より治療効果のエビデンス(科学的根拠)が蓄積されています。

従って治療においてより効率性が高く、また施策の必要性についてエビデンスをもって国民へ説明できるため犯罪者処遇に使われているようです。

そして、犯罪者処遇では特定のニーズ(薬物、性犯罪、暴力団離脱など)に合わせて完全にセラピーの流れが決められた認知行動療法が行われているそうです。

 

犯罪者処遇の基本的な技法である『リラプスプリベンション』も取り上げられました。

リラプスプリベンションでは、

①再犯は『日常の小さな失敗の積み重ね』で起きている

②個人に合わせた再犯防止の計画を立てる

③再犯防止のための対策は具体的に&より多く作る

上記の考え方に基づいて再犯防止の対策が考えられていきます。

 

後半では、少人数でグループワークが行われました。

ある性犯罪事件の犯罪者の状況&犯罪者とセラピストの対話の架空の文章を読んだ後、リラプスプリベンションのモデルに沿って

①安全な状況

②(犯罪者にとって)危機的な状況

③性犯罪実行のきっかけ

④実行後の犯罪者の状況

を書き出しました。

その後、4つの書き出した部分ごとに、いかに対処すれば犯罪者は性犯罪の実行を回避できるか?について話し合いました。

認知面・行動面共に様々な意見が出ました。特に危機的状況に陥る前の『安全な状況』、すなわちより早期の段階で犯罪実行を防止するための対処法が多く出た印象がありました。

 

状況ごとに対策がこんなに多様に出るのか、と驚きました。そして、犯罪をより早期に防止することの重要性が感じられました。

実際に矯正の現場で使われている心理療法の考え方が学べるとても有意義な時間を過ごせました!