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【活動報告】11月研修会

 

11/18、学生会館の会議室にて11月研修会が行われました。今回の研修会のテーマは、児童虐待の予防と再発防止でした。虐待の要因と防止のための取り組みを把握した後、ペアレント・トレーニングを実際に体験することで、虐待が起きない、起こりにくい養育について考えることができました。

 

 

 虐待のリスク要因に関して

 

 虐待のリスク要因は、3つに大別されます。1つ目は、保護者側のリスク要因で、保護者の精神的な問題や性格などがあります。2つ目は子どものリスク要因です。乳児期の子ども(パープルクライングの時期)や何らかの育てにくさを持った子どもがこの要因に当たります。そして3つ目が養育環境の要因です。家庭における経済的な問題、社会で孤立していることなどがあります。

 そして医療や福祉、教育の現場で、母親や子どもの言動から、以上のようなリスク要因を把握することが防止のために必要だそうです。

 

 

 虐待防止につながる取り組み

 

 東京都三鷹市を例に考えました。三鷹市には、子ども家庭支援センターを要とし、北野ハピネスセンターや保健センターなど様々な機関によって成る「子ども家庭支援ネットワーク」というものがあるそうです。子ども家庭支援センターは、子どもの遊びの場や親の交流の場、相談の場を提供する役割だけでなく、それらの場を通した児童虐待の早期発見の役割も担っています。そして保健センター(2003年の文献より)では、児童虐待の予防を目的とした母親サポートグループと児童虐待の再発防止を目的とした癒しのグループという取り組みがあるそうです。

 

 

 ペアレント・トレーニング

 

 子どもの問題行動を減少させるために、親の養育スキルを改善しよう、というものです。実際にロールプレイをして気づいたことを4点にまとめました。 

 

  • 子どもを注意するときは抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉で行う。(例えば、相手を困らせないように、という一言でも親の「困る」と子どもの「困る」では基準が異なる)

  • してほしい行動があるときには、「練習して前もって約束する」ことが有効である。

  • 子どもが意地にならないようにするには共感することが大切。

  • 子どもの問題行動を否定して減少させようとするよりも、望ましい行動を褒めて増加させる。

今回の研修会を通して、養育には不安が付きまとうものだということを実感しました。リスク要因で挙げた例に当てはまる親子は、特に親のその不安が大きいために虐待が起こりやすくなっているのではないかと思います。  

 

 児童虐待の予防、再発防止における地域での子育て支援の重要性とペアレント・トレーニングの可能性について知ることができ、大変勉強になりました。