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【活動報告】10月研修会

 

10/20(日)に学生会館会議室にて10月研修会を行いました。今回の研修会は児童虐待について、その定義から確認し、子供への影響、虐待をしてしまう親の心理、そして虐待事案の対処を行なっている児童相談所の仕組みについて知るという内容でした。

 

虐待の定義は見方によって様々ですが、今回の研修では、「『親権』を乱用し、子供を利用して親自身の欲求や要求を実現しようとする」という定義のもと行いました。子供が基準であり、つまり子供の福祉が最優先であることがポイントです。

 

虐待の区分としては、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトがあげられます。ここでは、親が子供に看病などを通して献身的に尽くしている姿を周囲に見せびらかすためにわざと子供を病気にさせるMSBP(代理ミュンヒハウゼン症候群)という虐待があることを初めて知りました。また、虐待された子供が身体的あるいは心的に悪影響を受けても周囲に助けを求められない理由として、周りの大人を信頼できなくなっているということが挙がりました。

 

 

次に、虐待をしてしまう親側の事情を考えるにあたり、PAAI(虐待心性評価尺度)というものを用いてロールプレイを行いました。虐待を行う親の置かれた状況から気持ちを想像し、子供や子育てに対する気持ちや考えについて述べた48項目の文章について、どの程度当てはまるか、0から3の数字に丸をつけるというものです。このPAAIから、体罰肯定感(子育てに体罰は必要だという考え)、自己の欲求の優先傾向、子育てへの自信喪失・疲弊・拒否感、子供からの被害の認知(子供のせいで私が苦しんでいると思う)などがわかります。

 

また、虐待を受けている子供と学校の先生という設定で、子供からどのように事情を聞きだすか、というロールプレイも行いました。このロールプレイを通して、子供を否定しないこと、子供の気持ちを汲んであげることが重要であるという気づきを得ました。

 

最後に、児童相談所の構造と問題点について確認しました。ここでは、児童相談所の職員が1人あたり100件以上の案件を抱えていることに驚きました。人材不足が大きな問題であることがよくわかりました。また、虐待事例の通告から受理会議を経て立ち入り調査が行われ、一時保護の後に総合診断、援助方針会議などの後援助の決定が行われるまでの流れを確認しました。法改正が行われ児童相談所の持つ権利が大きくなったにせよ、立ち入り調査を拒否されている間に子供が死亡するケースなど、抜け穴を無くすことの必要性を感じました。

 

まとめとして、子供には信頼関係のある継続的で適切な相談相手が、状況に合わせて寄り添うことが必要であることがわかりました。

 

今回の研修会では自分に足りなかった知識と、さらに生じた疑問について調べるきっかけを得ることができ、大変勉強になりました。