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【活動報告】八街少年院施設見学

 

 919日に東京都BBS連盟が主催の八街少年院施設見学に参加しました。

 

 千葉県八街市にある八街少年院は、関東甲信越静岡の各家庭裁判所に置いて第一種少年院送致決定のあった少年のための教育機関です。15(中学校卒業)以上の少年を収容し、矯正教育を行っています。原則20歳まで在院できますが、23歳まで延長は可能です。また心身に成長の遅れがあると判断された場合は26歳まで在院ができます。入院する理由は主に窃盗、傷害、詐欺、強盗・同致傷、恐喝などが挙げられます。入院時の年齢は18歳または17歳がほとんどで、少年院歴2回目の少年が半数以上います。

 

 

 施設に着くと、最初に家庭寮という建物で八街少年院についてのご説明がありました。家庭寮は、遠方から保護者が来た際、少年が一泊だけ保護者と泊まることができる施設です。見学時は台風15号の被害により、断水が続いている方が家庭寮のシャワーを利用できるようにしていました。

 

 

 施設で行われている矯正教育は主に生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導があります。生活指導では、被害者の視点を取り入れた教育、薬物非行防止指導など他にも6つの指導があり、少年鑑別所の調査で少年一人一人に対してどの指導を行うのかが決まります。テキストと共に個別で行う場合もあれば、グループワークをする場合もあるそうです。さらに、対人スキル指導、アンガーコントロールトレーニング、マインドフルネス、被害者心情理解などのプログラムもあります。豊富なプログラムがあるからこそ少年一人一人に合った矯正教育を行うことができるのだと感じました。

 職業指導では、溶接、木工、陶芸、農園芸などがあり、実際に少年が作った陶芸品などは商品として売られています。特別活動指導では運動会や盆踊り、クリスマス会、餅つきなど日本の季節行事も多く行われています。

 さらに、GMaC(ジーマック)という、犬たちの訓練過程を少年院の少年たちに担ってもらうことによって、少年たちの立ち直りと動物福祉の両方を目指す活動があります。八街少年院で実施しているこの活動は日本初の試みであったそうです。少年たちに社会貢献の機会を用意し、自己肯定感を育むこのような活動は、全国の少年院でも実施されるようになってほしいと思います。

 

 

施設見学の際、外や体育館の中で体育指導が行われており、少年たちの元気な声が響きわたっていました。寮の中も見学させていただきました。部屋の内部にはドアノブがなく、鍵をかけると外からしか開けることができない仕組みが印象的でした。八街少年院には休耕地となっている牧場もあり、のどかな風景が広がっています。

 

 

 最後に、施設見学後の質疑応答の時間には職員の方が一つ一つの質問に丁寧にお答えしてくださいました。大変有意義な学びの場になったと思います。

 お忙しい中、主催してくださった東京都BBS連盟のみなさま、見学を受け入れてくださった八街少年院のみなさま、本当にありがとうございました。

 見学の際、台風15号の影響による倒木や、建物の一部の破損なども見受けられました。千葉県の一刻も早い復旧をお祈りしています。